干合とは
干合は、五行が異なる陽干と陰干が結びついて、本来の働きを忘れるという特殊な関係のことです。
干合の組み合わせは5つあります。
自分の日干から数えて、6番目の干が陰陽和合する関係となります。
覚え方は、両手の10本の指を使うと簡単です。
人差し指の「乙と庚」
中指の「丙と辛」
薬指の「丁と壬」
小指の「戊と癸」
干合となる星同士は、木と土、火と金など五行の関係でみると相剋です。
でも、陰陽が違うので「甲(陽の木)と己(陰の土)」のように、干合という特殊な組み合わせが成り立つのです。
干合の相手との関係
干合は、お互いが本来の働きを忘れるという特殊な関係。
これを、人の相性を見るときに使うと、干合の相手とは、引きつけあいやすく、特別な繋がりを感じることになります。
溶けて混じり合うような、和合する相性です。
運命を感じやすく、理由なくひかれ合う相手とは干合の場合が多いでしょう。
一度出会うと、運命的なものを感じて離れがたい存在となります。
カップルや夫婦でも、干合の相手だと別れたとしても、しばらくしたら復縁しやすいです。
喧嘩しても、元に戻りやすい特別な縁を感じる相手となります。
ただ、良いことばかりではなく、一緒にいると不思議な化学反応が起きて、本来の働きを忘れます。
一緒にいると、自分の役割を忘れたり、だらだらしすぎたり、まぁいっかーと何もしなくなってしまいやすいのです。
自分が自分でないような、不思議な感覚を覚えることもあります。
よく、干合の関係は七夕の話に出てくる、織姫と彦星みたいな関係と言われます。
二人で一緒にいると、遊んでばかりでお互いの仕事を忘れてしまう…のような感じですね。
干合の命式変化条件
命式内に干合がある場合、ある条件を満たすと命式の十干が変化します。
干が変わると言うことは、そこから出ている通変星も変わるので、命式自体の星がガラッと変わることになります。
甲と己の干合によって起こる合化土
乙と庚の干合によって起こる合化金
丙と辛の干合によって起こる合化水
丁と壬の干合によって起こる合化木
戊と癸の干合によって起こる合化火
干合による命式の変化の条件
干合は主に、日干と月干で起こるものを重視します。
他の干での干合は、参考程度に見ます。
変化の条件では、命式の八字のみをチェックします。
蔵干は見ません。
条件1・命式内に木の五行(甲・乙・寅・卯)がないこと
※干合する場所の五行は除く
条件2・土の五行(戊・己・丑・辰・未・戌)が3つ以上あること
条件3・月支が次のうちのどれかであること丑・辰・未・戌・巳・午
条件が揃えば、合化土となり命式内の「甲は戊に変化」・己はそのまま
条件1・命式内に火の五行(丙・丁・午・巳)がないこと
条件2・金の五行(庚・辛・申・酉)が3つ以上あること
条件3・月支が次のうちのどれかであること申・酉・丑・辰・未・戌
条件が揃えば、合化金となり命式内の「乙は辛に変化」・庚はそのまま
条件1・命式内に土の五行(戊・己・丑・辰・未・戌)がないこと
※月支は除く
条件2・水の五行(壬・癸・子・亥)が3つ以上あること
条件3・月支が次のうちのどれかであること子・亥・申・酉・辰
条件が揃えば、合化水となり命式内の「丙は壬に変化」・「辛は癸に変化」
条件1・命式内に金の五行(庚・辛・申・酉)がないこと
条件2・木の五行(甲・乙・寅・卯)が3つ以上あること
条件3・月支が次のうちのどれかであること寅・卯・子・亥・辰・未
条件が揃えば、合化木となり命式内の「丁は乙に変化」・「壬は甲に変化」
条件1・命式内に水の五行(壬・癸・子・亥)がないこと
条件2・火の五行(丙・丁・午・巳)が3つ以上あること
条件3・月支が次のうちのどれかであること巳・午・寅・卯・未・戌
条件が揃えば、合化火となり命式内の「戊は丙に変化」・「癸は丁に変化」
干合による命式の変化例
命式に干合がある人の例をみていきましょう。
この命式では、日干の「壬」と月干の「丁」が干合しています。
丁と壬の干合による、命式の変化条件を見てみると…
条件1・命式内に金の五行(庚・辛・申・酉)がないこと
命式の八字に、金の五行はありません。
条件2・木の五行(甲・乙・寅・卯)が3つ以上あること
甲、卯、寅が計4つあります。
条件3・月支が次のうちのどれかであること寅・卯・子・亥・辰・未
月支は、卯です。
命式の変化の条件が揃っているので、合化木となります。
命式内の「丁は乙に変化」し、「壬は甲に変化」します。
干が変化したことで、通変星も変わり、命式がガラッと変化しました。
このように命式が変化した場合は、変化後の命式で鑑定していきます。
干合と支合
干合は天干同士の組み合わせですが、地支同士の組み合わせもあります。
干合の地支バージョンを「支合」と言います。
支合の組み合わせは、全部で6つあります。
寅と亥
卯と戌
辰と酉
巳と申
午と未
干合と支合の両方があると、「天地徳合」というさらに特殊な組み合わせとなります。
天地徳合は、物事が幸運に運ぶ吉暗示です。
干合を命式に持つ人の特徴
命式内に干合がある人は、二面性を持っていることになります。
また頭の回転が早く、色々な思いが脳内を巡っていることが多いです。
考えがコロコロ変わりやすく、気分屋な面があります。
意見が一変しやすかったり、状況に合わせて、自分を変えることができる役者のような傾向があるでしょう。
一貫性がないので、周りを振り回すこともありそうです。
気分の上がり下がりが激しいので、本人も悩みすぎたり、疲れやすい部分も。
危機的状況にあったときに、まるで別人?!と周囲を驚かせるような一面が出ることもあります。
どの星同士の干合を持っているかによっても、どんな影響が出るかが変わります。
甲と己→引力本能が強くなる、人をひきつける魅力、人間関係へのこだわりが強くなる、愛され体質
丙と辛→習得本能が強くなる、新しいことへの興味・関心、吸収が早い、偏屈で薄情になりやすい、恋愛体質
戊と癸→伝達本能が強くなる、影響力が強い、文才がある、情に乏しく孤独になりやすい
庚と乙→攻撃本能が強くなる、行動力アップ、自分が上に立ちたい、果断で義理人情に厚くなる
壬と丁→守備本能が強くなる、自分を守りたい、人に媚びて流されやすい、性的欲求が強い
干合している干から出る通変星の働きが弱まる
命式内に干合がある場合、干合による変化条件を満たしていなくても、干合している干から出る通変星は自らの働きを忘れます。
本来持つ、通変星の特徴、働きが弱まることになります。
比肩・・・偏財を剋する力が弱まり、正財や正官の働きを邪魔する
劫財・・・正財を剋する力が弱まり、日干へエネルギーを与える
食神・・・偏官を剋する力が弱まり、財も生み出す力が弱まって日干が消耗しやすい
傷官・・・正官を剋する力が弱まり、財を生み出す力は強まる
偏財・・・偏印を剋する力が弱まり、日干からの剋も弱める、財運が弱まる
正財・・・正官への援助が弱く、日干からの剋も弱める、財が乱れやすい
偏官・・・日干を剋する力が弱まり、日干や印星をサポートする
正官・・・劫財を剋する力や律する力が弱まり、印綬へのサポートも弱い
偏印・・・食神を剋する力が弱まり、日干をサポートする
印綬・・・傷官を剋する力が弱まり、比肩へのサポートも弱い
干合の年
大運や流年運で、自分の日干と干合する星が巡ってきたら干合の年となります。
日干「丙」の人なら、2021年は辛丑の年なので、丙と辛が干合の関係になります。
干合の年は、イレギュラーなことが起こりやすくなります。
思いもよらない話が舞い込んだり、いつもと違った流れが生まれやすいのです。
地に足がつかないフワフワした感覚にもなりやすいです。
才能開花など、自分が今まで気づいていなかった能力が発揮されたり、運命的な出会いがある人もいます。
良くも悪くも、思いがけない展開になりやすいので、しっかりと自分の心の声に耳を傾けましょう。
魂の欲求に従って生きている人は、悪いようにはなりません。